ベトナム人配偶者がいる日本人の不動産所有:名義・土地・リスクを正しく理解する
ベトナム人パートナーと結婚した日本人にとって、「これでベトナムの家や土地を自由に持てる」と思いがちですが、実際の制度はもう少し繊細です。結婚によって外国人の”住宅”の権利は確かに大きく広がります。一方で”土地”については、外国人が持てないという大原則は結婚後も変わらず、しかも家族法と土地法の関係に、拠出した資金を失いかねない落とし穴があります。この記事は、ベトナム人配偶者がいる日本人が不動産を持つときの「何が変わり、何が変わらないか」「名義をどうするか」「どうリスクを抑えるか」を、弁護士相談を前提に整理します。
この記事は一般的な情報であり、法務・税務上の助言ではありません。ベトナムの土地法(2024年)・住宅法(2023年)は複雑で、運用や解釈も変わり得ます。実際のご契約前には、必ずベトナムの資格を持つ弁護士にご相談ください。
結婚で変わること:住宅は「期間制限なし」に近づく
まず良いニュースから。公表されている情報によれば、ベトナム人(在外ベトナム人を含む)と結婚した外国人は、住宅について通常の外国人に課される「50年(更新可)」の期間制限がなく、期間の定めのない安定した保有が認められるとされています。一般の外国人購入者が50年リースホールドの枠内で持つのに対し、配偶者がいると保有の安定性が大きく向上する、という点が最大の利点です。
さらに、物件をベトナム人配偶者の名義にすれば、その配偶者は「市民」として、マンションだけでなく土地付きの戸建てなども柔軟に持てます。つまり結婚は、外国人だけでは届きにくい物件タイプや保有条件への扉を開きます。ただし、この利点は「土地の問題」とセットで理解しないと危険です。
変わらないこと:土地使用権は外国人名義にできない
ベトナムでは土地は「全人民の所有」とされ、外国人は土地そのもの(土地使用権)を自分の名義で持てないという大原則があります。これは結婚しても変わらないと理解されています。詳しくは外国人は土地を持てるかで解説しています。
これが特に効いてくるのが、土地とセットの物件(戸建て・ヴィラ)です。専門家の解説によれば、外国人とベトナム人夫婦が土地付き住宅を持つ場合、土地使用権はベトナム人配偶者の名義とし、外国人配偶者は条件を満たせば「建物(住宅)」の部分を共有できる、という整理になるとされます。マンション(区分所有)であれば外国人配偶者自身の名義で持てる余地がありますが、この場合も外国人30%枠や所有証明書(ピンクブック)の一般ルールは意識しておく必要があります。
最大の落とし穴:土地法は家族法に優先する
ここが本記事で最も重要な点です。ベトナムの家族法では、婚姻期間中に取得した財産(土地使用権を含む)は、原則として夫婦の共有財産とされます。素直に読めば「結婚後に買った土地は夫婦のもの」に思えます。
しかし外国人が絡む夫婦では、**土地に関しては家族法の共有ルールが土地法の外国人制限に優先しない(=土地法が勝つ)**と専門家に指摘されています。結果として、次のような事態が起こり得ます。
- いくら購入資金を出しても、土地使用権証(LURC)に名前を載せられない外国人配偶者は、離婚や紛争の際に、その土地に対する権利を主張しづらい。
- 「自分は名義に入らなくていい」と合意していても、拠出した資金を回収できず失うリスクがある。
つまり、土地付き物件では「配偶者名義=安心」ではありません。名義がシンプルになる一方で、外国人配偶者の法的保護はむしろ弱くなり得るのです。だからこそ、口約束や名義だけに頼らず、後述の書面で守りを固める必要があります。
3つの現実的なルート
どの持ち方が向くかは、物件の種類・資金の出所・離婚や相続で何を守りたいかで変わります。代表的な3ルートを整理します(いずれも弁護士と設計する前提)。
| ルート | 名義 | 向く物件 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| A. 配偶者の単独名義 | ベトナム人配偶者 | 戸建て・土地付き・マンション | 市民として柔軟・期間の定めなし | 外国人配偶者の保護が弱い→書面必須 |
| B. 外国人配偶者の自己名義 | 外国人本人 | マンション中心 | 自分の権利が明確 | 建物中心・一般ルール(枠等)を確認 |
| C. 住宅を共有+土地は配偶者名義 | 住宅=共有/土地=配偶者 | 戸建て・ヴィラ | 建物の共有を反映 | 土地部分は外国人名義不可 |
いずれのルートでも、購入手続きそのものの流れは外国人の購入プロセス、必要書類は必要書類チェックリストを参照してください。土地付き物件を検討する場合は外国人は戸建て・ヴィラを買えるかも役立ちます。
拠出金と権利を守る安全策
外国人配偶者を守るための現実的な打ち手は、名義そのものより「書面と証跡」です。
- 夫婦財産に関する合意(財産契約)……ベトナム家族法は、婚前または婚姻中に夫婦間で財産の取り決め(誰が何をどれだけ持つか)を公証で結ぶことを認めています。誰がいくら拠出し、離婚時にどう清算するかを明文化しておくと、後の紛争リスクを下げられます。
- 資金トレイルの保全……購入資金を海外から正規の銀行チャネルで入金し、送金控え・外貨口座明細・契約書を長期保管します。これは将来の売却代金の送金でも効いてきます。
- 相続への備え(遺言)……後述のとおり、外国人配偶者は土地を相続で「保有」できない場合があり、価値の受領にとどまることがあります。遺言と受取設計を弁護士と用意しておきます。
- 弁護士の関与……上記すべてを、独立したベトナムの弁護士に確認・作成してもらうこと。ディベロッパーや仲介の説明だけに頼らないのが鉄則です。
相続の注意:土地は「保有」でなく「価値」で受けることがある
見落とされがちですが、ベトナム人配偶者が亡くなった場合、外国人配偶者が土地使用権をそのまま相続して「保有」できるとは限りません。制度上、外国人は土地を持てないため、相続では権利そのものではなく価値(金銭)での受領に切り替わる場面があるとされます。混合国籍の夫婦の相続は特に複雑なので、相続・贈与と外国人を参照しつつ、早めに遺言・受取方法を専門家と設計してください。
まとめ
ベトナム人配偶者がいる日本人は、住宅の保有条件が大きく有利になる一方、「土地は外国人名義にできない」「土地法が家族法に優先する」という2点は変わりません。土地付き物件では配偶者名義がシンプルでも、外国人配偶者の保護は弱くなり得ます。だからこそ、(1)物件の種類に応じた名義設計、(2)夫婦財産契約などの書面、(3)資金トレイル、(4)相続への備えを、ベトナムの弁護士と一緒に固めることが、拠出金と権利を守る近道です。
本記事は一般的な情報提供であり、法務・税務上の助言ではありません。制度・解釈は変動します。実際のご判断の前に、必ずベトナムの資格を持つ弁護士にご相談ください。
Happy Landはベトナム新築一次販売のディストリビューターとして、物件選びから、法的整理のための弁護士との連携までサポートします。国際結婚のご家庭に合った物件をお探しの方は、まず物件一覧をご覧いただき、Zalo / WhatsApp でお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
ベトナム人と結婚すると、外国人でも土地を持てるようになりますか?
いいえ。結婚しても外国人が土地使用権(LUR)を自分の名義で持つことは原則できません。ベトナムでは土地は『全人民の所有』とされ、外国人は土地そのものを所有できないという大原則は、ベトナム人配偶者がいても変わらないと理解されています。変わるのは主に『住宅(建物)』の扱いで、戸建てのように土地とセットの物件では、土地使用権はベトナム人配偶者の名義、外国人配偶者は条件を満たせば建物を共有する、という整理になるとされます。詳細は必ず弁護士に確認してください。
ベトナム人配偶者がいると、外国人の所有期間の50年上限はどうなりますか?
公表情報によれば、ベトナム人(在外ベトナム人を含む)と結婚した外国人個人は、住宅について通常の外国人に課される50年(更新可)の期間制限がなく、期間の定めのない安定した保有が認められるとされています。これは一般の外国人購入者と比べた大きな利点です。ただし制度・運用は変動し得るため、契約前に最新の取り扱いを専門家に確認してください。
『土地法は家族法に優先する』とはどういう意味ですか?
ベトナムの家族法では、婚姻期間中に取得した財産(土地使用権を含む)は原則として夫婦の共有財産とされます。しかし外国人とベトナム人の夫婦の場合、土地に関してはこの家族法の共有の考え方が土地法の外国人制限に優先されない(=土地法が勝つ)と専門家に指摘されています。つまり、いくら購入資金を出しても、土地使用権証(LURC)に名前が載らない・載せられない外国人配偶者は、離婚や紛争の際に拠出した資金を回収できず失うリスクがある、ということです。だからこそ書面の安全策と弁護士の関与が重要になります。
物件は配偶者の単独名義にすべきですか、共有にすべきですか?
一概には言えません。ベトナム人配偶者の単独名義にすると、市民として土地付き戸建ても含め柔軟に持てますが、外国人配偶者の法的保護は弱くなります。マンション(区分所有)なら外国人配偶者自身の名義で持てる余地もあります。どの名義が適切かは、物件の種類(マンションか土地付きか)、資金の出所、離婚・相続時の希望によって変わるため、夫婦財産契約などの書面とあわせて弁護士に設計してもらうのが安全です。
外国人配偶者を守るために何をしておくべきですか?
主な安全策は、(1)ベトナム家族法で認められる『夫婦財産に関する合意(婚前・婚中の財産契約)』を公証しておく、(2)購入資金が海外から正規の銀行チャネルで入ったことを示す資金トレイルを保全する、(3)相続に備えて遺言を用意する、(4)これらすべてをベトナムの弁護士に確認・作成してもらう、の4点です。口約束や名義だけに頼らず、書面と証跡で固めることが、拠出金と権利を守る現実的な方法です。
販売中のプロジェクト
最新の価格表・在庫・支払い条件をご案内します — Zalo/WhatsApp で無料相談。
販売中 外国人枠 Masterise Homes · 高級アパートメント&複合都市開発
The Global City
ホーチミン市トゥードゥック市(旧2区)アンフー地区
販売中 外国人枠 Gamuda Land · 高級アパートメント(コンドミニアム)
Eaton Park
アンフー、トゥードゥック市、ホーチミン市
販売中 外国人枠 SonKim Land × Hongkong Land · ブランデッドレジデンス
The Metropole Thủ Thiêm
トゥーティエム、トゥードゥック市、ホーチミン市