ベトナムの住宅・不動産保険2026:外国人オーナー向け火災保険ガイド
ホーチミンでマンションを購入・所有する日本人にとって、契約・引渡し・管理費の話題はよく語られますが、「保険でどう守るか」は意外と見落とされがちです。ベトナムには建物に対する強制の火災・爆発保険と、住戸オーナーが任意で入る住宅・家財・オーナー保険があり、両者は守る範囲がまったく違います。本記事では2026年時点の制度をふまえ、外国人オーナーが押さえるべき保険の種類・補償範囲・費用の目安・海外からの請求実務までを整理します。
なお本記事は一般的な情報提供であり、法務・金融の助言ではありません。制度や料率は変動するため、最終判断の前に必ず保険会社・専門家・公式情報で確認してください。
ベトナムの住宅・不動産保険は大きく分けて2層
ベトナムで住戸を守る保険は、ざっくり「建物単位の保険」と「住戸オーナー自身の保険」の2層構造で考えると理解しやすくなります。
- 建物単位(強制または管理組合付保):大型マンションの本体・構造・共用部を対象とする火災・爆発保険。多くは管理会社/管理組合がまとめて付保し、費用は管理費に含まれて区分所有者が間接負担します。
- 住戸オーナー自身(任意):自分の住戸の内装・構造の追加部分、作り付け家具、リフォーム部分を守る住宅保険。
- 家財保険(任意):家具・家電・私物など「動かせるもの」を守る保険。
- オーナー(賃貸人)保険(任意):賃貸に出す場合の建物・賃料・賠償リスク向け。
- 住宅ローン要件:銀行融資を使う場合、貸し手が担保物件への火災保険を融資条件として求めることがあります。
このうち外国人オーナーが見落としやすいのが、「強制の火災保険は建物本体中心で、自分の住戸の内装・家財・自分や入居者の過失まではカバーしないことが多い」という点です。管理費や2%修繕積立金の仕組みは別記事マンション管理費と2%修繕基金で詳しく解説しています。
強制の火災・爆発保険(Decree 67/2023・105/2025)
ベトナムでは2018年以降、政府主導で火災・爆発保険の強制化が進められてきました。根拠となるのが Decree 67/2023/ND-CP(補償・除外・料率の枠組み)、Decree 50/2024/ND-CP(対象施設の整理)、そして火災予防・消火・救助法に基づく Decree 105/2025/ND-CP(2025年7月1日施行) です。
重要なのは、Decree 105/2025によって対象範囲が大きく広がった点です。従来は「7階以上、または延床10,000m³以上」のマンション等が中心でしたが、改正後はおおむね5階以上、または延床1,000m²以上のアパート・住宅複合体も強制火災・爆発保険の対象に含まれる方向で拡大しました(具体的な判定は物件・用途で異なります)。
| 区分 | 主な対象(目安・変動あり) | 加入主体 |
|---|---|---|
| 大型マンション(建物本体・共用部) | 5階以上 または 延床1,000m²以上 など | 管理会社/管理組合(建物として付保) |
| 区分所有住戸 | 上記規模の建物内の住戸 | オーナー(建物経由で間接負担が一般的) |
| 一般戸建て住宅 | 原則対象外 | 任意 |
未加入の場合の罰則は、個人で最大VND 4,000万(約1,700米ドル)、法人はその2倍が目安とされています(金額は変動)。料率はDecree 67/2023の附則で基本料率が定められ、リスクに応じて**±25%程度の調整**が認められています。実務上、多くの大型マンションでは管理会社が建物保険として付保し、その費用は管理費に反映されます。つまり「自分で手続きしていなくても、管理費を通じて一部を負担している」ケースが多いのです。
何が補償され、何が補償されないか
強制の火災・爆発保険は、建物・構造・電気/照明/給排水などの内部システムへの物的損害を補償します。住戸契約や任意保険では家具・家電・在庫などの家財まで広げることも可能です。一方で、典型的にカバーされないものも明確です。
| 区分 | カバーされやすいもの | カバーされにくい/除外されやすいもの |
|---|---|---|
| 強制火災・爆発(建物) | 建物本体・構造・共用設備、電気/給排水システム | 各住戸の後付け内装・私物、第三者への賠償(人身・近隣) |
| 任意 住宅保険(内装・構造) | リフォーム内装、作り付け家具、住戸内の構造追加 | 自然災害・暴動など特約外の事由、故意 |
| 家財保険 | 家具・家電・私物 | データ/ソフトウェア、現金・貴金属の高額分(上限あり) |
| 共通の除外 | — | 故意の放火、消防法令の意図的違反、戦争/暴動、(多くは)地震・洪水等の自然災害 |
特に注意したいのは、火災・爆発保険は第三者への賠償(人身・近隣の財物損害)を基本的にカバーしない点です。入居者や近隣に損害を与えた場合の備えには、別途賠償責任保険が必要になります。また、データ・ソフトウェア、故意による損害、消防規定の意図的違反は一般に除外されます。引渡し時の内装・設備の状態を記録しておくことも、後の請求でのトラブル回避に有効です(マンション引渡し検査)。
保険料の目安とローカル/国際保険会社の選び方
保険料(年額)は、付保金額(保険でカバーする金額)の小さなパーセンテージ程度に収まることが多い、というのが一般的な目安です。ただし料率は建物のリスク・階数・用途・補償内容・保険会社によって変動し、正確な金額は見積りでしか分かりません(本記事では数値を断定しません)。家財保険や住戸内装の保険は付保金額が小さいぶん、保険料も比較的手頃になりやすいです。
保険会社の選択肢は大きく2系統です。
- ローカル大手:PVI(ベトナム損保のリーダー)、Bao Viet など。強制火災・爆発保険の商品が充実し、現地の支払いネットワークが強い。
- 国際系:Liberty(米系)、AIG など。英語・場合により日本語対応や国際的な請求対応に強み。
海外在住の日本人オーナーは、「日本語・英語でやり取りできるか」「海外送金・海外からの請求に対応できるか」を重視して選ぶと安心です。なお、ベトナムの不動産会社や賃貸仲介(日系含む)は住戸オーナー向けの任意保険を標準提供していないことが多く、加入は保険会社へ直接問い合わせる形になるのが実情です。
海外在住オーナーの請求実務と「入る価値」
日本に住みながらベトナムの住戸保険に入ること自体は可能ですが、請求の現場では現地対応が前提になります。事故時には、ベトナム国内からの第一報、現地調査、PCCC(防火当局)や警察の証明書類が必要になることが多く、海外在住者は現地の管理会社・入居者・委任した代理人を窓口にする体制が有効です。
| 海外オーナーの実務チェック | 内容 |
|---|---|
| 契約言語・支払方法 | 証券はベトナム語/英語、保険料はベトナムの口座・カード払いが一般的 |
| 連絡窓口 | 日本語/英語対応の有無、24時間ホットライン |
| 請求書類 | PCCC/警察証明、損害写真、見積書、所有/賃貸契約の控え |
| 代理人体制 | 委任状ベースで管理会社・代理人が現地手続きを代行 |
| 賃貸時の追加 | 入居者の過失・第三者賠償・原状回復を契約で明確化 |
「入る価値があるか」は、物件価値・賃貸の有無・自己居住か投資かで変わります。ベトナムでは入居者が自発的に家財・賠償保険に入る慣習が薄いため、オーナー側が建物・内装の任意保険を確保しておくことが、火災の多い都市部では特に合理的です。賃貸運用や海外からの管理の全体像は、ベトナムでの賃貸運用(貸し出し)と海外からベトナム不動産を管理するもあわせてご確認ください。
まとめ
ベトナムの住戸を守る保険は、「建物単位の強制火災・爆発保険」と「住戸オーナー自身の任意保険」の二段構えで考えるのが基本です。強制保険は建物本体中心で、自分の住戸の内装・家財・賠償までは届かないことが多いため、任意の住宅・家財・(賃貸なら)オーナー保険で穴を埋めるのが実務的な守り方です。料率や義務の判定は物件ごと・年ごとに変わるため、見積り比較と公式情報の確認を怠らないようにしてください。
本記事は一般的な情報であり、法務・金融の助言ではありません。具体的な加入判断は、保険会社・ブローカー・法務/税務の専門家や公式情報(Decree 67/2023、105/2025、火災予防・消火・救助法、PCCC規定など)で必ずご確認ください。物件選びや保険まわりでご不明点があれば、Happy LandへZalo / WhatsAppでお気軽にご相談ください。最新の物件は物件一覧からご覧いただけます。
よくあるご質問
ベトナムでマンションを買うと火災保険の加入は義務ですか?
建物の規模によります。Decree 67/2023と2025年7月施行のDecree 105/2025の改正により、一定規模(おおむね5階以上、または延床1,000m²以上など)のマンション・住宅複合体は「強制の火災・爆発保険」の対象になりました。多くの大型マンションでは共用部・建物本体を管理組合や管理会社が建物保険として付保し、その費用は管理費を通じて区分所有者が間接的に負担するのが一般的です。一方、戸建ての一般住宅は原則として加入義務はありません。自分の住戸内部(内装・家財)や賃借人の過失までは強制保険でカバーされないため、任意保険の追加が実務上ほぼ必須です。規模の判定と義務の有無は物件ごとに異なるため、管理会社と公式情報で必ず確認してください。
強制の火災保険があれば、自分の住戸の内装や家具も守られますか?
いいえ、必ずしも守られません。建物単位で付保される強制火災・爆発保険は、主に建物本体・構造・共用設備を対象とし、各住戸オーナーが後から入れたリフォーム内装、作り付け家具、家電、私物(家財)は対象外、または上限が低いことが多いです。これらをきちんと守るには、住戸オーナー自身が任意の住宅保険(内装・構造)と家財保険に別途加入する必要があります。補償範囲は契約ごとに大きく異なるため、申込前に「何が・いくらまで」払われるかを保険証券で確認することが重要です。
保険料はどのくらいかかりますか?
目安として、年間保険料は付保金額(保険でカバーする金額)の小さなパーセンテージ程度に収まることが多いですが、料率は建物のリスク・階数・用途・補償内容・保険会社によって変動します。ベトナムの強制火災・爆発保険ではDecree 67/2023の附則で基本料率が定められ、リスクに応じて±25%程度の調整が認められています。任意の家財保険や内装保険は付保金額が小さいぶん保険料も比較的手頃です。正確な金額は捏造できないため、必ず複数社から見積りを取り、補償内容と合わせて比較してください。
日本に住みながらベトナムの住戸の保険に入り、請求できますか?
可能ですが、実務上の工夫が必要です。契約は現地ベトナム語(または英語併記)の証券になることが多く、保険料は通常ベトナムの銀行口座やカードで支払います。事故時はベトナム国内からの第一報・現地調査・PCCC(防火当局)や警察の証明書類が必要になることが多く、海外在住者は現地の管理会社・テナント・代理人(委任状ベース)を窓口にする体制が有効です。日本語対応のある外資系保険会社を選ぶ、請求書類を事前に把握しておく、といった準備で実務負担を下げられます。
賃貸に出す場合、追加で必要な保険はありますか?
はい、オーナー(賃貸人)向けの補償を検討する価値があります。自分で住む場合と違い、入居者の失火・水漏れによる建物・近隣への損害、空室期間中のリスク、入居者の私物との切り分けなどが問題になります。ベトナムでは入居者が自発的に家財・賠償保険に入る慣習が薄いため、オーナー側が建物・内装の保険を確保し、賃貸借契約で原状回復や過失責任を明確化しておくのが安全です。第三者への賠償(人身・近隣財物)は火災保険では基本カバーされないため、賠償責任保険の追加も検討してください。
国際保険会社とローカル保険会社、どちらを選ぶべきですか?
どちらにも利点があります。PVIやBao Vietなどのローカル大手はベトナム市場での実績と支払いネットワークが強く、強制火災・爆発保険の商品が充実しています。Liberty(米系)やAIGなどの外資系は英語・場合により日本語対応や国際的な請求対応に強みがあります。海外在住の日本人オーナーは「日本語・英語でやり取りできるか」「海外送金・海外からの請求に対応するか」を重視して選ぶとよいでしょう。最終的には補償内容・除外事項・保険料・支払実績を総合比較し、できれば現地に詳しいブローカーや専門家の助言を得てください。
販売中のプロジェクト
最新の価格表・在庫・支払い条件をご案内します — Zalo/WhatsApp で無料相談。
販売中 外国人枠 Masterise Homes · 高級アパートメント&複合都市開発
The Global City
ホーチミン市トゥードゥック市(旧2区)アンフー地区
販売中 外国人枠 Gamuda Land · 高級アパートメント(コンドミニアム)
Eaton Park
アンフー、トゥードゥック市、ホーチミン市
販売中 外国人枠 SonKim Land × Hongkong Land · ブランデッドレジデンス
The Metropole Thủ Thiêm
トゥーティエム、トゥードゥック市、ホーチミン市