ベトナム不動産を相続すると日本の相続税はどうなる?外国資産の相続(2026)
ベトナムのマンションを家族に遺す、あるいは家族から相続する——将来を見据えて不動産を持つ日本人にとって、避けて通れないのが日本の相続税の問題です。ところが「海外にある不動産」の相続は、日本側の相続税とベトナム側の扱いが絡み、情報が散らばっています。本記事は2026年時点で、両国の関係、二重課税、評価、そして必ず専門家に確認すべき点を整理します。
本記事は2026年時点の一般的な情報で、税務・法務の助言ではありません。相続税の適用・評価・控除は個別事情で大きく変わり、制度も改正されます。判断の前に、必ず日本の税理士および有資格のベトナムの弁護士に確認してください。
大前提:相続は「2つの国」で考える
ベトナム不動産の相続は、次の2つを別々に、かつ一緒に考える必要があります。
- 日本側:日本の相続税は、要件を満たす場合、国内外を問わず全世界の財産を対象とします。ベトナムにある不動産も課税対象の財産に含まれ得ます。
- ベトナム側:相続人が実際にその不動産を保有できるか(外国人所有資格・30%枠)、あるいは価値を受け取る(売却)ことになるか、そしてベトナムでの税・手続き。
この2つは切り離せません。日本で相続税がかかり得る一方、ベトナム側で保有可否や税・手続きが決まります。
日本側:全世界財産課税と相続税
日本の相続税は、被相続人・相続人の住所や国籍・保有期間などの要件によって、国外財産まで含めて課税されることがあります。つまり日本の居住者などが関わる相続では、ベトナムのマンションも「相続財産」に含めて申告する必要が生じ得ます。
- 適用の有無・課税範囲の判定は複雑で、居住者/非居住者の別、10年以内の住所の有無などで変わります。
- 賃料収入や売却益の所得税は別の話です——そちらはベトナム不動産の所得と日本の税金にまとめています。
具体的な適用は、日本の税理士に個別に確認してください。
ベトナム側:相続税は無いが「個人所得」の扱い
ベトナムには日本のような独立した相続税はありません。相続・贈与による不動産の取得は個人所得として扱われ、一般に:
- 近親者間(配偶者、親子、祖父母と孫、兄弟姉妹、義理の関係など)の不動産の相続・贈与は原則非課税。
- 近親者以外は、一定額を超える価値に対して課税されるのが一般的。
外国人の相続人が実際に保有できるか(所有資格・30%枠)や、資格が無い場合に**価値を受け取る(売却)**流れは、外国人によるベトナム不動産の相続・贈与で詳しく解説しています。
二重課税と外国税額控除
日本で相続税がかかり得る一方、ベトナムには相続税が無い(近親者は非課税、非近親者は個人所得としての課税)ため、外国税額控除の適用可否は、ベトナム側で相続に相当する税負担が生じたかどうかで変わります。二重課税の調整は制度が複雑で個別性が高いため、日本の税理士に確認してください。
海外資産の評価と実務
- 評価:国外不動産も日本の相続税の評価対象となり得ますが、国内の路線価のような画一的方法が使えないため、実務では現地の時価(取引事例・鑑定等)を基に評価するのが一般的です。為替(円換算)の時点でも税額が変わり得ます。
- 書類:相続資格を示す書類は、領事認証・翻訳が必要になり得ます(ベトナムのアポスティーユ条約加盟は2026年9月11日発効。それまでは領事認証)。海外(日本)からの手続きは海外からの購入・管理の考え方も参考に。
- 売却・送金:相続後に売却し代金を海外送金する場合、当初の購入資金の入金トレイルが土台になります。
実務チェックリスト
- 日本の税理士に、全世界財産課税の適用と評価・控除を確認。
- ベトナムの弁護士に、相続人の所有資格(30%枠)・手続き・現地税を確認。
- 購入時からの資金の記録(入金トレイル)と物件書類を保管。
- 相続資格書類の認証・翻訳の要否を確認。
まとめ
ベトナム不動産の相続は、日本側(全世界財産課税による相続税)とベトナム側(相続税は無いが所有資格・個人所得の扱い)を両方見る必要があります。ベトナムに相続税が無いことは、二重課税調整(外国税額控除)の考え方にも影響します。評価・控除・手続きは複雑で個別性が高いため、早めに日本の税理士とベトナムの弁護士に相談し、購入時から資金と書類の記録を残しておくことが、将来の承継をスムーズにします。
本記事は一般的な情報のみで、税務・法務の助言ではありません。相続税・評価・控除は個別事情と改正で変わります。必ず有資格の専門家に確認してください。
Happy Landはホーチミンの一次販売ディストリビューターとして、購入・保有・承継を見据えた物件選びを日本語でお手伝いします(税務・法務は専門家をご紹介)。日本人買い手向けの全体像は日本人のためのベトナム不動産購入 完全ガイドを、ご相談は物件一覧やお問い合わせ(Zalo / WhatsApp)からどうぞ。
よくあるご質問
ベトナムのマンションを相続したら、日本で相続税はかかりますか?
かかる可能性があります。日本の相続税は、一定の要件を満たす場合、国内外を問わず被相続人の全世界の財産を対象とします。日本の居住者などが関わる相続では、ベトナムにある不動産も課税対象の財産に含まれ得ます。適用の有無・課税範囲は、被相続人・相続人の住所や国籍、保有期間などで変わり、判定は複雑です。必ず日本の税理士に個別確認してください。本記事は一般情報で税務助言ではありません。
ベトランには相続税がありますか?二重課税になりますか?
ベトナムには日本のような独立した『相続税』はありません。相続・贈与による不動産の取得は個人所得として扱われ、近親者間(配偶者・親子・祖父母と孫・兄弟姉妹等)の不動産の相続・贈与は原則非課税、近親者以外は一定額を超える価値に対し課税されるのが一般的です。したがって日本の相続税との調整(外国税額控除)は、ベトナム側で相続に相当する税負担が生じたかどうかで扱いが変わります。二重課税の調整は制度が複雑なため、日本の税理士に確認してください。
外国人の相続人はベトナムのマンションをそのまま保有できますか?
所有資格を満たせば可能です。建物が外国人所有30%枠内で、物件が国防・治安区域になく、相続人が所有資格のある外国人個人であることなどが条件です。資格を満たさない場合は、代わりに金銭的価値を受け取る(通常は売却)ことになります。この点はベトナム側のルールで、日本の相続税とは別に確認が必要です。詳細は相続・贈与の記事を参照してください。
日本の相続税のために、ベトナムの不動産はどう評価しますか?
国外にある不動産も日本の相続税の評価対象となり得ますが、国内不動産の路線価のような画一的な方法がそのまま使えないため、実務では現地の時価(取引事例・鑑定等)を基に評価することが一般的です。為替(円換算)の時点や評価方法で税額が変わり得るため、評価は日本の税理士・必要に応じて鑑定の専門家に相談してください。
相続した後に売却して日本へ送金できますか?
原則として、ベトナムでの納税と手続きを経て、売却代金を海外へ送金できます。ただし当初の購入資金が正規ルートで持ち込まれた記録(入金トレイル)が重要で、これが売却益の海外送金の土台になります。相続の場合はさらに、相続資格を示す書類の領事認証・翻訳などが必要になり得ます。売却・送金の実務は現地の弁護士・銀行に確認してください。
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