ベトナムのサービスアパート投資2026:外国人投資家向けガイド
ホーチミン市で不動産投資を検討する日本人の方から、「駐在員に貸せるサービスアパートは儲かるのか」という質問をよくいただきます。家具・清掃・受付付きで高い表面利回りが期待でき、外国人駐在員という安定したテナント層が見込める一方、運営コストや土地用途の法的論点など、通常のコンドミニアム投資とは違う注意点があります。本記事では2026年時点の最新情報をもとに、外国人投資家がホーチミンでサービスアパートに投資する際の論点を、誇張せず誠実に整理します。
サービスアパートとは:他の物件種別との違い
「サービスアパート(Serviced Apartment)」とは、ホテルのような日常清掃・受付(フロント)・家具備品・リネン交換などのサービスが付いた賃貸住居を指します。短〜中長期滞在の外国人を主な対象とし、入居者は手ぶらに近い形で生活を始められます。投資家にとっては「物件=オペレーション(運営事業)」である点が、通常のコンドミニアムと最も違うところです。
外国人投資家がまず混同しやすいのが、コンドミニアム・オフィステル・コンドテルとの違いです。区分を取り違えると、そもそも外国人個人が所有できない、あるいは貸し出し・短期運営が法的に許されない、といった落とし穴にはまります。これはホーチミンで外国人購入者が最も見落とす論点の一つです。
| 種別 | サービス内容 | 土地用途の傾向 | 外国人個人の所有 | 主な収益モデル |
|---|---|---|---|---|
| コンドミニアム | 清掃・受付なし(共用管理のみ) | 住宅 | 可(30%枠・50年リース内) | 長期賃貸 |
| サービスアパート | 清掃・受付・家具備品付き | 物件により住宅/商業 | 物件次第(要確認) | 中長期賃貸+サービス |
| オフィステル | 事務所兼住居・小型 | 商業のことが多い | 物件により制限あり | 賃貸・SOHO |
| コンドテル | ホテル運営・短期観光向け | 観光・商業 | 不可とされるのが一般的 | 短期宿泊・運用委託 |
※区分はプロジェクトの竣工証明(レッドブック/ピンクブック)と土地用途で確定します。同じ「サービスアパート」でも法的扱いは物件ごとに異なります(目安・変動)。
テナント層:誰が借りるのか
サービスアパートの主力テナントは、外国人駐在員・長期滞在者・外国人専門職です。家賃補助のある駐在員は、家具付き・日常清掃・セキュリティ完備の利便性に対価を払う層で、運営がしっかりした物件には継続的な需要があります。
日本人駐在員も重要なテナント層です。2区タオディエン(SQ Thao Dienなどの築浅サービスアパートが人気)は1区中心部へ車で20分弱、敷地内にスーパー・カフェ・銀行が揃い、単身赴任・夫婦世帯に好まれます。7区フーミーフンは日本人学校やインター校が集まる文教地区で、ファミリー層に人気です。月額家賃の目安はスタジオ〜1ベッドで500〜1,100USD前後、ファミリー向け2〜3ベッドはエリアと築年で大きく上振れします(目安・変動)。
利回り:表面は高いが実質は圧縮される
サービスアパートはグロス(表面)で7〜10%という数字が示されることがあります。ただしこれはあくまで満室・コスト控除前の数字です。2026年時点のホーチミン居住用アパートのグロス利回りは概ね3.5〜4.5%が目安で、タオディエンなど高級エリアは物件価格が高いぶん3%台に圧縮されがちです。サービス形態は家具・サービスの付加価値で家賃を上乗せできる反面、運営コストと空室が重くのしかかります。
なぜ表面と実質が乖離するのか。背景には、2018〜2024年にHCMCの物件価格が2〜3倍になった一方、家賃は30〜40%しか上がっていないという構造があります。価格上昇に家賃が追いつかず、利回りが圧縮されているのです。下表は$300,000の物件を月$1,200で貸す一般的な試算例です(数値は目安・変動)。
| 項目 | 年額の目安 |
|---|---|
| グロス賃料(満室) | 約 $14,400 |
| 賃貸所得税(約10%) | −$1,440 |
| 管理・仲介手数料(約1か月分) | −$1,200 |
| 空室(年1か月想定) | −$1,200 |
| 共用管理費(HOA) | −$960 |
| ネット手取り | 約 $9,600 |
この例ではグロス約4.8%に対しネットは約3.2%です。サービスアパート形態は清掃・受付の人件費や高めの空室率が加わるため、ネット2.5〜3.5%前後に着地することが多いとされます。ホーチミンの定期預金金利が5.5〜6%程度であることを踏まえると、サービスアパート投資は「配当株」ではなく、キャピタル(値上がり、目安7〜10%/年・変動)を狙う「成長株」として位置づけるのが誠実な見方です。利回りの基礎はホーチミン市の賃貸利回り、貸し出しの実務はベトナムでの賃貸運用(貸し出し)もあわせてご覧ください。
外国人の所有・運営の可否
ベトナムでは住宅法2023・土地法2024のもと、外国人は認可された商業住宅開発のアパートを、原則50年リースホールド(更新可)で取得できます。土地そのものは国家に帰属し、外国人は1棟あたり戸数の30%まで(個別の戸建ては地域人口あたりの上限あり)という枠があります。
サービスアパート投資で核心となるのは、その物件が「住宅」か「商業・観光」かという用途区分です。住宅区分のアパートであれば所有・賃貸は可能ですが、観光向けのコンドテルは外国人個人が所有権を取得できないと整理されるのが一般的です。さらに、賃貸・短期運営を建物の法的ステータスが許容しているかも別途確認が必要です。多くの居住用コンドミニアムは短期・サービス型運営を想定していません。「サービスアパートだから貸せる」と思い込まず、購入前に法的ステータスを必ず確認してください。
自主運営 vs 運営会社委託
サービスアパートは「運営」が利益を左右します。自主運営は管理料を節約でき利益率を高められますが、テナント募集・契約・清掃手配・トラブル対応・税務事務まで現地で回す必要があります。遠隔の外国人オーナーには負担が大きいのが実情です。
運営会社・管理会社に委託すると、長期賃貸で月額家賃の概ね6〜10%、1区・2区タオディエン・7区など駐在員向けの高級エリアでは8〜10%が目安です。加えて新規テナント付け手数料(0.5〜1か月分)や、建物のサービス費(おおむね1㎡あたり月8,000〜20,000VND)も発生します(目安・変動)。手数料分ネット利回りは下がりますが、空室対策とオペレーションを任せられる点は遠隔オーナーにとって現実的な選択です。
適エリア
| エリア | 特徴 | 主なテナント |
|---|---|---|
| 1区(中心業務地区) | 最高家賃・需要安定、物件価格高 | 単身の駐在幹部・短期 |
| 2区タオディエン/アンフー | 外国人コミュニティ・国際校近接 | 駐在ファミリー・夫婦 |
| 7区フーミーフン | 日本人学校・インター校、計画都市 | 日本人/韓国人ファミリー |
高級エリアほど家賃は高いものの物件価格も高く、グロス利回りは圧縮されがちです。エリア選定の詳細は外国人におすすめの購入エリアを参照してください。
リスクの整理
(1)資本リスク:価格上昇でグロス利回りが圧縮されており、値上がり前提の投資になりやすい。(2)運営リスク:清掃・受付など人手のかかるオペレーションと、サービスアパート系で居住用より高めとされる空室率。(3)駐在需要への依存:景気・企業の駐在方針・国際情勢で需要が振れる。(4)法的・土地用途リスク:住宅か商業・観光かで所有/運営の可否や期間が変わる。(5)為替リスク:円/ドン・ドル/ドンの変動が手取りに直結。総論としての投資判断はベトナム不動産は良い投資か2026もご一読ください。
まとめ
本記事は一般的な情報提供であり、投資助言・税務助言ではありません。土地用途区分・所有可否・税務は物件ごと・個人ごとに異なり、法令も変わり得ます。実際の購入・運営前には、必ず弁護士・税理士など現地の専門家にご確認ください。
Happy Landはベトナムの新築一次販売を扱うディストリビューターです。「この物件は外国人が所有できるか」「サービスアパートとして貸せる法的ステータスか」「想定利回りは現実的か」といったご相談は、Zalo / WhatsApp でお気軽にどうぞ。日本語で対応します。具体的な候補は物件一覧からご覧いただけます。
よくあるご質問
外国人はベトナムでサービスアパートを所有して貸し出せますか?
住宅(アパートメント)区分であれば、商業開発の認可物件を50年リースホールド(更新可)で取得し、貸し出すこと自体は可能です。ただし「サービスアパート」と呼ばれる物件でも、土地用途や竣工証明(レッドブック/ピンクブック)の区分が住宅か商業・観光かで扱いが大きく異なります。観光用途のコンドテル等は外国人個人が所有権を取得できないと整理されるケースが一般的です。賃貸・短期運営を建物の法的ステータスが許容しているか、契約前に必ず確認してください。これは一般情報であり、個別の可否は専門家にご相談ください。
サービスアパートの利回りはどのくらいが現実的ですか?
2026年時点のホーチミンの居住用アパートのグロス利回りは概ね3.5〜4.5%が目安で、タオディエン等の高級エリアは物件価格が高いため3%台に圧縮されがちです。サービスアパート形態は清掃・受付等のサービスや家具込みで高いグロス(7〜10%という表示も見られます)を狙えますが、運営コスト・空室・税で実質(ネット)は2.5〜3.5%前後に落ち着くことが多いとされます。いずれも目安で、立地・運営力・為替で大きく変動します。
テナントはどんな層ですか。日本人駐在員は借りますか?
主力は外国人駐在員、長期滞在者、外国人専門職です。日本人駐在員も2区タオディエン(SQ等)や7区フーミーフン(日本人学校・インター校が近い)を中心に主要なテナント層です。家賃補助のある駐在員は家具付き・清掃付き・セキュリティ完備の物件を好み、相場はスタジオ〜1ベッドで月500〜1,100USD、ファミリー向け2〜3ベッドはエリアにより大きく上振れします(目安・変動)。
サービスアパートはコンドミニアムやオフィステル、コンドテルと何が違いますか?
通常のコンドミニアムは住宅区分で、所有して貸し出せますが日常清掃や受付は通常付きません。サービスアパートはホテルのような清掃・受付・家具・備品が付き、運営オペレーションが前提です。オフィステルは事務所兼住居的な小型ユニットで土地用途が商業のことが多く、コンドテルは観光・短期滞在向けで外国人個人の所有が認められないのが一般的です。区分の取り違えが外国人購入者の典型的な落とし穴です。
自分で運営するのと運営会社に任せるのはどちらが良いですか?
自主運営は手数料を節約でき利益率を高められますが、テナント募集・契約・清掃手配・トラブル対応・ビザや税の事務まで現地で回す体力が要ります。運営会社・管理会社に任せると月額家賃の概ね6〜10%(高級エリアの駐在員向けは8〜10%)の管理料がかかる一方、空室対策やオペレーションを任せられます。遠隔の外国人オーナーは管理委託が現実的なことが多いですが、手数料分ネット利回りは下がります。
主なリスクは何ですか?
(1)資本リスク=価格が大きく上がった分グロス利回りが圧縮されている、(2)運営リスク=清掃・受付など人手のかかるオペレーションと空室率(サービスアパート系は居住用より空室が高めとの指摘あり)、(3)駐在需要への依存=景気・企業の駐在方針・国際情勢で需要が振れる、(4)法的・土地用途リスク=住宅か商業・観光かで所有/運営の可否や期間が変わる、為替リスク、の5点が中心です。投資前に法務・税務の専門家確認を強く勧めます。
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